読感
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: 文庫
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引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
実はちょっと前にこの人の作品を立て続けに3冊ほど読んで、
いささか食傷気味で、しばらく遠ざかっておりました。
が、久々に読むとやっぱり面白かった♪
現在と過去の時系列が交互に書かれている、
伊坂幸太郎らしい作品です。
この人の本は、ベタベタな恋愛や心理描写がなく、
物語が淡々と進むので、(でもちゃんと深いんだけどね。。)
いかにも「泣かせます」が苦手な人、
大人ってね、一見普通でも心の中に哀しみの一つや二つ、抱えてるんだよ、
ってな事を理解している人は、
表面上の軽快さに流されることなく色んな事を考えるんじゃないかと思う。
性別問わず、楽しんでもらえると思います。
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/11/28
- メディア: 文庫
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- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/11/28
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夫が突然、逝ってしまった。残された妻、敏子は59歳。まだ老いてはいないと思う。だが、この先、身体も精神も衰えていく不安を、いったいどうしたらいい。しかも、真面目だった亡夫に愛人だなんて。成人した息子と娘は遺産相続で勝手を言って相談もできない。「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなったリアルな現実。もう「妻」でも「母」でもない彼女に、未知なる第二の人生の幕が開く。第5回婦人公論文芸賞受賞。
びみょー・・
桐野夏生なだけに、もちろん展開もいいし、読みやすい。
アウトの時にも感じたけど、
ごくごく普通の主婦の心理をうまく表現している。と思う。。
んだけど。。。
どうも私は「普通の専業主婦の感覚」というのがうまく理解出来ない。
そして、「浮気されることをそこまで嫌と感じる心」も正直なところ、分からない。
いや、もちろん楽しくはない。
ショックであることも理解出来る。
でも、まるで天変地異が起きたかのように、
驚くことではあるまい・・と思ってしまうのだ。
ちなみに貞操観念に関する考え方は、
伊坂幸太郎の「鴨とあひるのコインロッカー」に出てくる、
ブータン人の性に対する考え方*1に近いなぁ、と変な共感を覚えてしまった・・
そんなわけで、どうしてもぬぐえない違和感を抱えたまま、
どんどん進む物語に、集中出来ず、
なんだか読んでる最中も読み終わった後も、
変に疲れたのを覚えている。
もう一点。60歳を前にして、性的な問題を抱えている、
というのも、正直に言うと、理解出来ない。
ただこれは、私がもっと年をとっていけば、
理解出来るんだろうなぁ、とも思う。
だって、私が10代の頃、
セックスしてる30代(つまり自分の親世代)なんて想像出来なかったもん。
が、現実は(まぁ夫婦間が悪く、セックスレスではあるがw)
別に普通のことだったりするわけで。
人間の性欲なんて死ぬまであるって言うし、
自分がその歳になれば、違和感を感じなくなるんだろうな、と思う。
そんなわけで後20年後ぐらいにもう一度読んでみたい小説ではある。
「トリアングル」俵万智
- 作者: 俵万智
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/09
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薫里は33歳のフリーライター。仕事は順調で、妻子ある年上の恋人ともうまくいっている。年下の圭ちゃんは新鮮な喜びをくれる存在。同時に動きはじめた二つの恋はどこへ向かうのだろう…。しなやかな意志をもち、自然体でいきる女性を描いた著者初の長編小説。深遠な感情、ささやかな発見、一瞬の風景を、随所に織りこんだ短歌が鮮烈に伝える、現代の“うた物語”。
これねぇ。。。
個人的にはすごく共感出来る内容でした・・
ただ、これで感動するにはちょっと(私は)トウが立ちすぎてる・・そんな感じも。
先ほどの魂萌え!とは逆に、10年前に読んでみたかった。
俵万智さんが結婚せずに子供を産む事を選んだ、
その序章のようにも感じられ、自伝小説か?と感じる面も。
そんなこんなの雑感3冊。
相変わらず説明べたで(笑)。