読感


さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃 (角川文庫)

★★★

アンナさんトコで少し書きましたが。
単純な復讐劇ではないので、そこが重い・・のです。
このところ脳みそ使う系が多かったので、
疲れ気味(脳が)のところに読んだせいもあると思うけどw




テーマ(?)は二つ。

一つは、葛藤。
我が子をくだらない快楽の為に殺された父親。
ひょんなことから、警察よりも先に、
加害者達(未成年)を知ることになる。
そこで知る、我が子の最後。
衝動的に、加害者の一人を殺害。

でも、心は晴れない。
当たり前だよね。相手を殺したところで、
我が子が戻ってくるわけじゃないんだから。
かといって、法の裁きを受けさせたところで、現実はどうだろう。
未成年で、しかも殺す意図があったわけではない。
(薬の量を誤って結果死んでしまった)
我が子の人生を奪った少年が、たかが数年で、
犯罪歴もつくことなく、社会復帰出来る。
許せるわけがない。
そんな葛藤。


もう一つは、若者の姿。
すべての若者がそうだとは思わないけれど、
犯罪を犯す若者達の心がよく描かれている。
あさはかで未熟な若者。
彼らは面倒なことから、後先考えず、「逃げる」のである。
辛いこと、嫌なこと、ヤバイこと。
それにぶち当たったときに、
「なかったこと」にしてしまおうとする。
逃げていれば、いつか誰かが解決してくれると思っているのか。
逃げていれば、いつかその事実は「消えてなくなる」と思っているのか。
いつでも行き当たりばったり。
いつだって人のせい、自分は悪くない。
面倒なことはごめんだ。だから、面倒なことになりそうなら、
後先考えず、「逃げる」ための行動をとる。

現実の事件にリンクしている部分もある。
若者による集団リンチ事件とかね。
人を殺した事よりも、自分が罪を背負うことに対して、涙する少年達。
作中に書かれているので省きますが。


そんなこんなで、読んでいる間(2日間ぐらいかな)は、
睡眠の質が落ちました(爆)。
眉間にしわ寄せながら寝ていたというか。




★★★★
というわけで、お疲れな脳みそを軽くするべく、
ライトな作品を(笑)。


いやー青春ですよ、青春www
唯一(?)作者のお子さんをモデルにした作品だそうで。


おかげで昨夜は良く眠れましたww