読感


骸骨ビルの庭(上)

骸骨ビルの庭(上)

骸骨ビルの庭(下)

骸骨ビルの庭(下)

内容紹介
読むものの心を激震させる待望の長編小説
平成六年、大阪・十三。八木沢は住人を立ち退かせるためビルの管理人として
着任。ここは、戦後復員した二人の男が人生をかけて戦争孤児たちを育てた場
所である。

内容(「BOOK」データベースより)
住人たちを立ち退かせるため、八木沢省三郎は管理人として骸骨ビルに着任する。そこは、戦後、二人の青年が子供たちを育てた場所だった。食料にも事欠き、庭で野菜を作りながら、彼らは命を賭して子供たちと生きた。成人してもなおビルに住み続けるかつての子供たちと、老いた育ての親、それぞれの人生の軌跡と断ち切れぬ絆が八木沢の心を動かす。すべての日本人が忘れられない記憶。現代人が失った純粋な生き方が、今、鮮やかに甦る。


★★★(★)

「血の流れ」(親から子へと受け継がれていく血であるとか、血脈のようなものであるとか、そういうもの。)というものにこだわっている作家さんであるが、まさに・・という一冊。

あれこれ考えさせられる一冊。ということでw



版社/著者からの内容紹介
わがままで甘ったれのマリ(手毬)7歳。仕事と恋人をしょっちゅう変える母に育てられて30年後、幼なじみのアメリカ人と再会する…。愛に翻弄され、愛に救済される女の生涯を濃密に描いた会心の作


内容(「BOOK」データベースより)
1967年、わがままで甘ったれのマリ、7歳。12歳のマーティルとの日々が始まりだった。10年が経ち、また10年…そして2027年。あの時「一緒に暮らそう」と言ったマーティル。今ここで別れたらもう一生彼には会えない。しかし頷いてしまったら二度と家には戻れない―。何を得るのが幸福なのだろうか。捨てることが出発だったのか。愛に翻弄されて、救済される―危うい家族関係の中に描く人間の愛憎。長編エンタテインメント。

★★★(★)
久々にこの作家さんの本を読んだ。
プラナリアの頃から、何となく読後感の悪さが嫌で、
あまり読まなくなったんだよね。
作家さん自身が抱えているマイナス感情を小説に塗り込めたかのような重さがあって。
(実際に塗り込めているわけではないがw)


物語は7歳の手毬が、アルツハイマーになる老後までを描いていて、
ところどころで、話し手が手毬の母親になったり、子供になったり、
そうやって物語が進んでいく。
さらりと読める&引き込まれていくんだけど、
よく考えてみると、客観的にみて「悲惨な」話ではある。
人生って何だろうなーとか、血(性格)は受け継がれていくのか?とか、
そんな事を考えながら読んでいたら、最後にふいたw
落としどころ、そこ?みたいな(爆)。
一体何が言いたかったのか、という気がしないでもないが、
良い小説だと思いますw