読感


六条御息所 源氏がたり 一、光の章

六条御息所 源氏がたり 一、光の章

★★★


タイトル通り、
六条御息所から見た、源氏の物語。
現代訳でも漫画でも何でもいいけど、
源氏物語」のあらすじと人間関係が、
ある程度頭に入っていれば、面白い。と思う。
前半は視点が面白くて、サクサク読んでしまったし。

けど、途中で飽きてくる(爆)。
六条御息所が源氏の君の、心の中だったり、
他の登場人物の心の中だったり、
あれこれ語る事で物語が進んでいくのですが、
全てがそうやって状況説明だったり心の説明だったりするので、
読み手が「考える隙」がないというか。


小説の醍醐味って、そこの書かれている状況を読んで、
そこから自分自身の体験であったり、想像であったり、
はたまたリンクする過去の出来事だったり、
そういったものを「考える」ことにあると思うのですね。(私だけかもw)
それが、これだけ「登場人物の心の中(動き)」を書かれてしまうと、
「なるほど、作者はそう読み解きましたか」と思う事はあっても、
だから何?と思ってしまうというか。

3部作のようですが、2部以降は
文庫か、中古が出回ってからでいいかな。