読感

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)

★★★
ルポとしては良くできてる・・かな。
この著者、若いんだよね。
なのに一生懸命考えてる。素直というか。
ただ、その若さ故の愚かさ(懸命さ、とも言えるかな)もあって。
人は万能ではない。
地の底を這いずるように生きている少女に同情して、
中途半端に手をさしのべて、結局見捨てるのか、と言う場面がいくつか。
出来もしないのに、何とかならないのか・・と手をさしのべてしまうのは、
やはり「若さ」なんだよね。
通りすがりに「希望」を見せられて、結局捨てられる相手の立場を考えたら、・・・と思うのだけど。
ただ、そういった感情は人として間違ってるものではないし、
「愚かな自分」を悔やんで、そして大人になっていくんだろうな、とも思う。
そして、そういった「うかつな(?)自分」を取り繕わず、素直に書ける、というのは、素晴らしい事だよな、とも思う。。
20年後ぐらいにこの人が書いた文を読んでみたいな、と思った一冊。