悲しい。

忌明け法要用のお花を買いに来たお客さん。
普通にお花(菊系)を取り出していたら、
「子供なので、出来れば可愛い感じで・・」
と言われた。


子供なので、と声に出して言う、
その辛さを想像して、涙が出そうになった。
この世に存在しなくなってしまった事が、
信じられなくて、でも毎週毎週菊を供えて、
四十九日がやってくる。
心の中で、もういないのか、と考える事と、
口に出して、誰かにそれを伝えるのでは、
重さが違うよね。
どれだけ勇気が必要なんだろう、と思う。
泣き出さないように必死で笑おうとする、
その表情が切なくて、見ていて辛かった。



子供を亡くした親は、世間の人が思うよりも多い。
たぶん、何年経っても何十年経っても、辛い。
先日も、お墓の花を買いに来たご夫婦が、
「息子が亡くなってから、毎月お墓に行くようになってね」
と話してくれた。
笑っているけれど、やっぱり辛いよね。
我が子の為にしてあげられる事がない、辛さ。
お墓参りに行って、花を供えるぐらいしか出来ない辛さ。
その辛さは、過去形には、きっと、ならない。


だから、過去形で話さないように注意してる。
「辛かったですね」ではなくて「辛いですね」。
性別を聞く場合は、
「男の子でしたか?」ではなくて「男の子ですか?」。


意味があるのかどうか、分からない。
でも、過去にされてしまったら、辛いよね。
「もう過ぎた事だ」と言われてるみたいで。



年の瀬ですね。
冷え込んでます。