読感
入院中にザザザ〜〜っと本を読んだので、
まとめて感想。。
「分裂病の起源」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535580367/motherstail-22/503-4533641-1400736?%5Fencoding=UTF8&camp=247&link%5Fcode=xm2
遺伝学や精神医学が複雑に絡んでいるので、
そういうバックグラウンドを持っていないと、
ちと読むのに時間がかかるけど、面白かった。
古代、うつ病だと推定される記述はあっても、
分裂病だとされる記述はないんだそうだ。
ほえぇ〜〜〜って感じ。
医学的にもうつ病と分裂病って見分けが難しいらしいのだが、
私は例えば、源氏物語に出てくる、
物の怪にとりつかれた人などは、
あれは分裂病のことだろうと思っていたんだけど、
どうやら重度のうつ病だってことになるのかな？
話がずれた。
ずれたから元に戻したいのだが、
私の脳みそでは、面白く読むことは出来ても、
うまく文章にまとめられない。
でも本としては面白いので、
そういった方面に興味のある方はぜひ。。
「崩れる」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087472175/ref=ase_motherstail-22/503-4533641-1400736
うん、面白かった。
読みやすいし。
非常によく出来ていて、楽しく読める。
ただ、私は読んでいて作者の女性観のほうが気になってしまった（笑）。
なんというか、昔の人だなぁ〜。と。
女性（妻）に母親を求めているというか。
どこ？と言われると困るし、そういう記述があるわけではないが、
何となく文面から漂ってくるというか・・
古さは随所にあって、３作目に入った頃には、
１０年〜２０年前の作品？？と思い、
思わず巻末の初版年月日を確認してしまった。
後書きで作者が「登場するキャラは作者自身が反映されている」と一般に解釈されることに対して否定しているが、
人物像が似ているというレベルではなく、
何気ない記述や表現にそれがにじみ出ているという感じ。
あと、解説で桐野夏生が「セクシャルなものを極力排除している」云々と書いていたが、
私が感じたのはセクシャルというものを意図的に排除しているというより、
女性に性欲があるなんて思ってもみないタイプなのかな？と感じた。
なんか読書感想文からかけ離れた感想になってしまった・・
小説としては文句なく面白かったので、
機会があれば長編も読んでみたいと思う。
「すべて忘れてしまえるように」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4789726398/ref=ase_motherstail-22/503-4533641-1400736
たまたま新聞で著者のインタビューが載っていて、
興味をひかれて読んでみた。
これはぜひ世の男性、特に司法に関わる人達に読んで欲しい。
サブタイトルが「少女監禁レイプ殺人犯と暮らした８０日間」なので、
生々しい記述等があると思われる人も多いと思うが、
どんな８０日間であったかというより、
（もちろんそれが文中の殆どをしめるが）
著者が何を言いたくてこの本を書いたのか、
真剣に考えて理解して欲しいと思った。
そして性犯罪がどういうものなのか、
真剣に考えて欲しい。
性的衝動というのはとても強いものだし、
（そりゃそうだ。種の存続に関わることなんだから）
押さえられるものではない。
そして性犯罪者の再犯率というのは他の犯罪に比べ、高いという事実もある。
また犯罪者本人も、己の性衝動に悩んでいたりするらしい。
アメリカなどではこういった人達にホルモン治療をしているようだが、
その治療を希望する性犯罪者も多いと聞く。
加害者は過去にも強姦で刑務所に入っていた。
それが模範囚ということで、あっという間に出所し、
そして今度は強姦殺人を犯す。
著者も語っているが、性犯罪者に対して、
もっと厳しさが必要なんじゃないかと思う。
被害者が増えなければ、駄目なのか。
犠牲が必要だというのか。
間違っている。
日本でも、性犯罪者の居場所を公開するというような話が出ているが、
私はレイプ犯罪を犯した人は性的に去勢してしまえばいいと思っている。
人権がどうとか子孫を残す権利とか、色々言われるが、
被害女性の人権を踏みにじり、
子孫を残すことだって不可能な傷を負わせたかもしれないのに、
何の権利が必要か、と思う。
もう一つ、許せないことがある。
この加害者には妻子があった。
妻は事実を知っていた。
知っていたのである。
なぜ警察に事情を話さなかったのか。
己と子供の身を守る為？
怖くて言えなかった？
どんな理由であれ、許せるものではない。
強姦にかかわらず、全ての犯罪は理不尽なものだと思う。
でも、もう少し何も悪いことをしていない人間が、
楽に安心して暮らせる世の中であってほしいと思う。
