忙しいと言いつつ、

読感。。


風味絶佳 山田詠美


短編が数個で構成されているんだけど、
タイトルにもなっている「風味絶佳」が断トツ良かったなぁ。

この人のはずっと昔の作品から全て読んでいるんだが、
久々のヒットでした。
ご結婚されたあたりから、作風に変化があって、
それ以前の尖ったような、切ない感じの作風から、
柔らかな(というかベタベタの?)作風に変わり、
(ちょうど「ラビット病」の頃。あれは好きな作品だけど。。。)
その後は何だかいまいちやっつけ仕事してるみたいな小説が多かったんだけど、
これは良かった。
昔より柔らかくなったけど、それでも切なさがよく出てるというか、
成熟してきたというか・・(お前何様だ!って突っ込み不可…笑)
結婚といえば、江國香織も結婚してから作風が変わった。
女性にとって結婚って良くも悪くも影響が大きいんだなぁ、と思う今日この頃。



死にぞこないの青 乙一


面白かった。
小学生が主人公で、先生から理不尽ないじめを受ける。
大人のずるさ、弱さ、卑屈さ、それを想像だに出来ない子供、
この人は人間の内面の暗さを描くのがうまい。
でも、読後感はいい。
後書きも面白い(笑)。
おすすめです♪


愛の工面 辻仁成

読まなきゃよかった(爆)。
読みたい本がなくなると、
まぁとりあえず・・と思ってこの人の作品を読むんだが、
なんか苦手なものが多い・・
この人の書く女性像が苦手なのかな。
女性の一人称で書くには無理があるというか。
ちなみにこの人の作品で好きなのは、
サヨナライツカ」だけです。
これは単に私の心情にピタッとはまった、という理由で好きなだけだと思う。
冷静と情熱の間に」も好きなんだけど、
あれは江國香織さんとの連作で、ちょっと特殊なので、
辻さんの作品として、好きといえるかどうか・・・。
「冷静と情熱の間に」自体(二冊セットでという意味で)は、
とても好きな小説です。。

でも映画はよくなかったなー。
小説が原作の映画って、
小説から読むと重要な部分が省かれていたりして、
がっかりすることが多い。と思う。。