読感

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「家の中に変な男が棲んでるのよ!」念願のマイホームに入居して早々、妻が訴えた。そんなバカな。仕事、仕事でほとんど家にいないおれにあてつけるとは!そんなある夜、洗面所で歯を磨いている男を見た。さらに、妻と子がその男と談笑している一家団欒のような光景を!注目の異才が現代ニッポンを風刺とユーモアを交えて看破する、“とんでも新奇想”小説。

サクッと読んだ。ホント、サクッと。
風刺小説。かな。。
何となく星新一を思い出した。


専業主婦の妻、仕事が忙しく午前様の夫。
郊外に無理してマイホームを手に入れて、
更に通勤時間が延びる夫。
それでも家族の為に頑張ってるのに、
妻はそれを理解してくれない。
まるで水戸黄門の印籠みたいに、仕事を持ち出すことが気に入らない。
そばにいてくれない、居て欲しい時にいない、それのどこが家族なのか。
で、ある日床下仙人に鞍替えする(爆)。
男も女も悲しいやね。そーんな感じ?


短編がいくつか入ってるんだけど、
どれも基本は社会風刺。(だと思うんだけど。。。)
ユーモアたっぷり・・とは思えないが、
ストーリー展開は面白い。というか読みやすい。
サクッと読めるので、読んでみてもいいかな。という小説。


ちなみに登場人物には、個人的にはあんまり共感出来ない。
仕事仕事で午前様になったのは、マイホームに拘った妻のせいもあるし、
それを不満どうこう言ったところで仕方ない。
大体、この話の妻は「自分も働けばいい」という概念が抜けている。
寂しがって床下仙人に鞍替えする前に、
夫に「私も働いてもいいから、子供と自分の為にもう少しゆとりのある職種に転職してくれないか。」とか、そういう話し合いを持っても良かったんじゃないの?
(いや、別に働きたくないならそれで何にも問題ないんだけど、働きたくない!夫がずっといないのも嫌!!では、どうにもならないだろう、という意味で。。)


話し合っても駄目なら、その時こそ、鞍替えすればいいのに、
ある日突然最後通牒を突きつける。
玄関の鍵を付け替えて、夫を入れなくすることで。
なんだかなぁ、である。