読感

家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇

家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇

内容(「BOOK」データベースより)

お菓子で朝食、味噌汁回し飲み、夫と妻の昼飯格差、赤ちゃんの一人食べ、家庭のネットカフェ化―食卓ナマ写真が映し出す今どきの家族像とは?前作『普通の家族がいちばん怖い』に続く、10年以上に及ぶ徹底的な食卓調査の集大成。

★★(★)

ネットでレビューを見て、何となく購入(爆)。
読んでいて、途中でうんざりしてきました。
結構な数の「食卓写真」が出てくるんですが、
何とも言えず、不味そう(爆)。
撮影がインスタントのフィルムカメラだから・・という点をさしおいても、不味そう。


というか、私の周りではここまで酷くないですが!?と言いたくなりました。
作者(編集者?)が、『特に酷い家庭を選んでるでしょ?』と言われますが、そんなことはありません。」みたいな事を書いていましたが、
やっぱりそこに「作為」はあるんじゃないのか?と、どうしても感じてしまいます。
それぐらい、酷い。
野菜は切ったりするのが面倒だからストックしてません。とか、
子供が食べないから使いません、とか、
朝からケーキ(菓子パンではなく)とか、お菓子類(菓子パンではないw)、
昼は焼きそば(具なし)、夜はたこ焼き(市販の)とか・・・・
コロッケやから揚げも『作るもの』ではなく、総菜を買ってくるか、冷凍を揚げるかどちらか・・
しかも焦げまくってすごく不味そう・・・・・・
そんな家庭ばかりでした・・・・


もう一つ「作為」を疑う理由として、「一つの家庭の一日三食×一週間」のレポートがない点。
例えば一つの家庭で、最初の一日目の食事と、最終日の食事の比較はあるし、
違う家庭の「手抜き料理」の写真はあるけれど、やっぱり「一つの家庭の一週間全部の食事内容」がないというのは、
こういうホントしては致命的なのではないか?と思うのだけど。


しかし。少なくとも特に酷い家庭を集めたわけではないだろうし、
ここまで酷くないにしても、「傾向」は見られるわけです。
そうやって見ていると、食育食育騒いでるくせにこれか・・・とか、
食器を洗うのが面倒だから、鍋やフライパンのまま、料理をテーブルに出す・・って何やねん!とか、
スーパーに、ああも沢山の冷凍食品が売ってる理由はこれなのか・・とか、
まぁそんな事を考えたりしました。


もちろん我が家だって手抜きの日はあります。
というか、殆ど毎日手抜きです。
夕ご飯が、たこ焼きだけの日だってあります(爆)。
本書の中で書かれていましたが、
「お父さんがいない日は手抜き出来て楽」という意見。
ホントにそうです。
母子だと食べる量が限られてるので、量や種類は要らないのよね。
というわけで、限りなく手抜きです。


が、冷蔵庫に野菜がないなんて事は有り得ないし、
市販の冷凍食品のストックもほぼゼロ(たまに実母が買ってきて入ってたりする程度)である。
ジュースも乳酸菌飲料以外は滅多に入ってません。
(これは私が飲まないからですねw飲まないから買わない=冷蔵庫にないから娘も飲まないw)
野菜を食べる量が減ると、体調を崩すので、相当食べてます。(野菜7:肉1.5:ご飯1.5ぐらいのバランスw)
インスタントラーメンなども、防災面からある程度ストックしてますが、一ヶ月に一度食べる程度です。


私の周りにしても、普通に野菜を使った料理、してます。
レシピ交換したりするし・・・
というわけで、やっぱりちょっと偏ってるんじゃ・・と思ってしまいます。

しかし、そういう家庭があるのは事実だろうし、
そういう家で育ったら、味覚なんて育たないし、
何よりも「食べる楽しみ」を教えてもらえないよね・・
(「皆で和気藹々と食べる」楽しみではなくて、「素材や味付けを味わう」楽しみ、かな)
そんな訳で、何だかとても「うんざり」気分になりました。


書いていて思い出した。
先日泊まった旅館のレビューに、
「お造りに、まだ動いてる魚が出てきて、私も子供も食欲が失せてしまいました」
というのがありました。
読んだ時、すごくげんなりした。
だったら肉も魚も食べるなよ、目の前で動いてるか動いてないか、
見えるところで捌かれたか、見えないところで捌かれて「食材」として出されたか、
それだけの違いじゃないか、と。
どちらも命を殺して食べている事に変わりないのに、
目の前で動いていたら「残酷で食欲が失せ」、
見えないところで殺された肉や魚なら、「美味しそう〜」といって食べるのか、と。
ちなみにうちの姪っ子甥っ子もそうである。
タコ焼きもタコの刺身も食べるくせに、丸ごとのタコ出したら、すごく嫌そうな顔して、一口も食べない。
それこそ「すごく貧しい発想」ではないのか。
食育食育言ってるけど、肝心な部分は置いてけぼりか?と。


まったくもう。
そんなこんなで、後味の悪い一冊でした。