10年以上。

ご高齢で来なくなったり。
おそらく痴呆が急速に進んだんだろうな、と思われる状況を見かけたり。
「実は○年前に妻が亡くなっていて、ここのお花が好きだったから、お墓には絶対にここの花と決めているんです。」
と言われたり。
枯れたと思われる周期で自宅用に赤バラを2本ずつ買っていく男性客とか。
仏花を定期的に買っていく男性とか。
「お花が好きだったので。生前は贈った事なんてなかったんですが(笑)」
と自虐的に仰るお客さんがいたり。


10年以上、同じ場所でお店をしていると、
そういう事がどんどん、どんどん、増えていき。
きっと、それぞれが、色んな想いを抱えて、お花を買っていて、
そういうものが、うちの店を支えてくれているんだろうな、と思う。


それは悲しい事でもあるし、でもお店としては幸福な事でもあるし、
いつか、うちの店がなくなっても、
誰かの心の中に、「ああいうお店があったな、ああいうオーナーさんがいたな。」
と懐かしく、温かい気持ちで思い出してもらえたたらいいな、と思ったり、
そんな事を考えるようになるのが中年になるということなのか、と思ったり、
徒然に、思う、7月の頃。