読感

えー秋ですから。
ひたすら読書です(爆)。


十七歳の硫黄島 (文春新書)

十七歳の硫黄島 (文春新書)

★★★(★)


太平洋戦争物を読んでいると。

「誰も死にたくなかったんだ」という事実にぶち当たる。


神風であるとか、人間魚雷であるとか、
激戦地での日本軍の闘いぶりであるとか、
万歳攻撃であるとか。
お国の為であるとか。いさぎよく、とか。
皇国の為であるとか。
生きて虜囚の辱めを受けず、であるとか。



外国人や戦後世代からみると、
完全に「洗脳」されていたようにしかみえなくても。
誰もが勇敢に散っていったようにしか、みえなくても。




死にたくなかった。
でもあの時代、そんなことは言えなかった。




本文最後に、印象的な一言がありましたので、
転記しておきます。
(著者が本書の中に書いたものではなく、ある取材の中で著者が取材者?に語った言葉です)

死んでね・・。
意味があるんでしょうかねぇ。
どうでしょうねぇ。
だけど、無意味に死んだんじゃ、かわいそうですよね。
それはできないでしょう。
“おめえ、死んで、意味がなかったなぁ・・”
っていうのでは、酷いですよね。
(中略)
どんな意味があったか、それは難しい。
でもあの戦争からこちら六十年、
この国は戦争をしないですんだのだから、
おめえの死は無意味じゃねえ、と言ってやりたい。