読感

指揮官たちの特攻: 幸福は花びらのごとく (新潮文庫)

指揮官たちの特攻: 幸福は花びらのごとく (新潮文庫)


8月だしね。
この時期、必ず一冊は日本の、第二次世界大戦に関する本を読みます。


世の中には沢山の戦争に関する本があって。
どれも悲しい歴史なんですが。


これは、神風特攻隊の、一番最初の犠牲者と、
一番最後の犠牲者に焦点を当てています。
一番最後の犠牲者。
8/15の、玉音放送を知らずに、飛び立った青年。
助かった筈の命。



私の感じた「戦争」は、「といあげ」です。
二十歳の頃、古い城下町の生花店に勤務していました。
時期はまさに戦後48〜50年の頃です。


といあげ。弔い上げとも言います。
一周忌、3回忌・・・と数えていき、
50回忌(=といあげ)で、祖霊と一体になるとされています。
(つまり「といあげ」はおめでたい事という認識。)


そして、この「といあげ」が、私が勤務していた時期に、
爆発的に増えました。


戦争末期。
それだけ多くの人命が失われた、と言うことです。
戦争に関する本は、小学校の頃から、よく読んでいました。
が、実感として、「戦争」と「失われた命」を感じたのは、
このときが初めてで。
「といあげ法要」を営む人達は、「おばちゃん」世代だったり、
「おばあちゃん世代」だったり、様々でしたが、
「戦争」で失われたのは「今、生きていてもおかしくない」命だったんだな、と。
50年前なんて、もっと遠い「昔」だと思っていたけど、
そうじゃなくて、ほんの少しだけ前の事なんだな、と。



普段、実感することのない、戦争。
せめてこの時期だけは、ちゃんと考えたいと思います。