中学校の同級生が5月に出産して、
最近新居をかまえたので、遊びに行く約束をした。
メールで、「生後すぐだから大変でしょ。おやつも飲み物も持参するから気を遣わないでね〜」と入れておいたら、
「おやつ♪期待してます♪」と返事が来た。


予想外で、ふいた。
そして思い出した。
そうだ、そういう付き合い方をしていたんだ。


大人になって、ましてや子供が出来て、
子供絡みのお付き合いが増えると、
なんか訳の分からない社交辞令や謙遜、
お互いが使った金額のバランスが崩れないよう、
いちいち気を遣いまくって、
そんなことばかりしていたら、
なんだかそれが「最近の常識」みたいになっちゃって、
それが「オトナ」のルールなんだと、そんな雰囲気になって、
でもそれは私の本質からはほど遠い所作で。


彼女はいつも彼女のままだ。
いつだって正直で、そのまま生きている。


16歳で駆け落ちした時も、10年ぐらいだって戻ってきた時も、
数年前、旦那さんが重大な精神疾患になって、やむなく離婚した時も、
なぜかそれからすぐ、(おそらく)お金持ちと電撃結婚した時も、
見事に何も変わらず彼女のまま。
お金があってもなくても、歳を取っても、素のまま生きてる。
まっすぐで、素直で、案外義理堅い。


駆け落ちした時、お金を貸して、と言われた。
中学時代は仲良かったけど、
別々の高校になって、少し疎遠になりつつある時期でもあった。
そんな私にまで言ってくるというのは、本当に困ってたんだと思う。
でも当時高校生だった私が、それほどお金を持ってるわけもなく、
ましてや夜急に連絡が来て、今すぐ!という状況だったので、
手元にあった1万だったか2万だったか、忘れたけれど、それだけ渡した。
返ってくる事は期待してなくて、幸せに暮らしてくれたらいいなぁ。と、それだけ思ってた。


地元に戻ってきた時、彼女は、そのお金を返しに来た。
驚いた。
金額をメモにしていたことも、返しにきたことも。


そんな随分前の話を思い出しながら、
今も全然変わらない様子の彼女に、
なんだか安心した。


オトナになる前の友達っていいね。